空き家を放置するとどうなる?リスク・危険な期間・かかる費用を解説
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空き家を放置するとまずいとは聞くけれど、実際に「何年で危険になるのか」「いくらかかるのか」までは分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、空き家放置の具体的なリスク・期間の目安・費用の現実を、法改正や実例をもとにわかりやすく整理します。
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目次
空き家を放置すると発生する3つのリスク
①『特定空家』や『管理不全空家』で勧告を受けると固定資産税の優遇が解除される
空き家の管理状態が悪化すると、市区町村から「助言・指導・勧告」と段階的な措置を受けることがあります。令和5年の法改正により、従来の「特定空家」だけでなく、その一歩手前の「管理不全空家」も対象となりました。
国土交通省(令和7年3月31日時点の公表)によると、特定空家への勧告は累計4,153件、管理不全空家への勧告も378件発生しています。毎年数百件規模で「勧告」に至る空き家が出ている状況です。
勧告を受けると、住宅用地の固定資産税軽減(最大1/6)が解除される可能性があります。その結果、固定資産税が実質的に最大約6倍になるケースもあります。「いきなり6倍」ではありませんが、改善しないまま放置すると税負担が大きく跳ね上がる仕組みです。
さらに、倒壊などの危険が差し迫っている場合には「緊急代執行」が行われることがあります。これは市区町村が所有者に代わって解体等を実施し、その費用を請求する制度です。
「空き家等対策の推進に関する特別措置法第22条第11項に基づき、緊急代執行の開始を宣言いたします」
青森市は、積雪により倒壊の危険性が迫っていて隣家や周辺道路に被害を及ぼす可能性があるとして、空き家対策特別措置法(空き家法)に基づく緊急代執行でこの空き家の解体を決めた。
今回の解体費用は数百万円で、青森市は所有者に請求することになる。
出典:
Yahoo!ニュース(朝日新聞)
実際に、長期間放置された空き家が豪雪をきっかけに崩壊し、数百万円規模の解体費用が所有者に請求される事例も出ています。自然災害や老朽化は突然進行します。
「今はまだ大丈夫」と思っていても、行政措置の対象になる可能性はゼロではありません。
② 倒壊・火災で損害賠償を負う可能性
空き家を放置し、老朽化した建物が倒壊したり部材が落下して第三者に被害を与えた場合、所有者は民法第717条(工作物責任)に基づき損害賠償責任を負う可能性があります。建物の設置・保存に瑕疵があり、それによって損害が生じたときは、占有者や所有者が責任を負うという規定です。
最高裁平成6年7月12日判決は、建物の設置・保存に瑕疵がある場合の所有者責任の枠組みを示した代表的な判例です。老朽化や維持管理不足が原因で事故が起きた場合、所有者の責任が認められ得ることを前提としています。
また、老朽ブロック塀の倒壊で所有者の責任が問題となった裁判例もあり、管理不十分が争点となっています。人的被害が発生すれば、物損に加えて慰謝料や逸失利益が加算され、賠償額が数千万円〜数億円規模になる可能性もあります(事案により大きく異なります)。
火災についても、失火責任法の適用はあるものの、重過失が認められれば賠償責任を負う可能性があります。空き家は配線劣化や不法侵入、放火リスクが高まるため、管理を怠ること自体がリスクとなります。
③ 放置期間が長いほど売却価格が大きく下がる
空き家は放置期間が長くなるほど建物の劣化が進み、雨漏り・シロアリ・構造部の腐食などが発生しやすくなります。劣化が進むと、買主は修繕前提ではなく解体前提で検討するケースが増えます。
木造住宅の解体費は一般的に200万〜500万円程度かかることが多く、この金額が実質的な値引き圧力になります。つまり、放置期間が長いほど売却価格は不利になりやすい構造です。
さらに、空き家の存在が周辺住宅価格に影響を与えるとする研究もあります。空き家がある地域では、近隣住宅の取引価格が約3%程度下落する傾向が示された分析もあり、景観悪化や治安不安が需要を下げる要因とされています。
「とりあえず持っておく」という選択は一見リスクが小さく見えますが、劣化が進むほど売却条件は悪化します。時間が経つほど、選択肢は狭まっていく傾向があります。
空き家は何年放置すると危険?期間の目安
半年〜1年で起きる劣化
空き家は人が住まなくなった直後から劣化が始まります。換気が止まることで湿気がこもり、カビや木材腐食、シロアリ被害が発生しやすくなります。
国土交通省の住宅関連資料でも、適切な維持管理が行われない住宅は急速に性能が低下することが示されています(参考:国土交通省 空家法施行状況)。
特に雨漏りが発生すると、1年以内でも構造部にダメージが及ぶことがあります。
3年以上放置すると売却が難しくなる理由
3年以上放置されると、建物の老朽化が外観にも現れやすくなります。屋根の劣化、外壁のひび割れ、雑草繁茂などが買主の印象を大きく下げます。
また、建物評価がほぼゼロになると解体前提での売却となり、解体費用分の値引きが求められます。放置期間が長いほど、修繕費・解体費が増加し、売却条件は不利になります。
行政から通知が届くまでの流れ
空き家が周辺に悪影響を及ぼすと、市区町村から「助言・指導」が行われます。その後改善が見られない場合、「勧告」が出されます。
令和5年改正空家法により「管理不全空家」も対象となり、勧告を受けると住宅用地特例が解除される可能性があります。
国土交通省(令和7年3月31日時点)によると、特定空家への勧告は累計4,153件、管理不全空家への勧告も378件発生しています(報道発表資料)。
空き家を放置すると実際いくらかかる?費用シミュレーション
固定資産税の増額例
住宅が建っている土地には固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)が適用され、最大1/6に減額されています。
しかし、勧告を受けるとこの特例が解除される可能性があります。例えば固定資産税が年間10万円だった場合、特例解除により約60万円相当になるケースもあります(制度詳細:国土交通省)。
解体費用の目安(木造・鉄骨)
木造住宅の解体費は一般的に200万〜500万円程度が目安とされています。鉄骨造やRC造では500万〜1,000万円以上になることもあります。
実際に青森市の緊急代執行事例では、解体費用が「数百万円」と報じられ、所有者へ請求されました。
最低限の管理費はいくら?
空き家管理サービスの相場は月額5,000円〜1万円程度が一般的です。年間では6万円〜12万円程度となります。
最低限の換気・通水・外観点検を行うだけでも、劣化の進行を大幅に抑えることができます。
空き家の対処方法3つ
① 売却する
早期売却は最もリスクを抑えやすい選択肢です。建物の状態が比較的良好なうちに売却すれば、解体費を差し引かれにくくなります。
② 解体して土地活用する
老朽化が進んでいる場合は、更地にして売却や駐車場活用を検討する方法もあります。ただし更地にすると固定資産税の軽減がなくなるため、収支計算が必要です。
③ 管理サービスを利用する
すぐに売却できない場合は、最低限の維持管理を行うことで劣化・行政リスクを抑えられます。
空き家の相談先
① 不動産会社
売却査定や市場価格の確認ができます。解体前提か現状売却かの判断材料になります。
② 空き家専門業者
管理・片付け・解体までワンストップで対応する業者もあります。相続物件など複雑なケースに向いています。
③ 自治体の相談窓口
多くの市区町村が空き家相談窓口を設置しています。法改正や勧告制度についての説明を受けることができます(例:国土交通省 空家対策ページ)。
③ 自治体の相談窓口
空き家放置でよくある質問
- 空き家は何年くらい放置すると問題になりますか?
- 早ければ半年〜1年で劣化が進み始めます。換気がされないことで湿気がこもり、カビやシロアリ被害が発生しやすくなります。3年以上放置すると建物の傷みが進み、売却価格が大きく下がるケースも珍しくありません。また、管理不十分と判断されると行政から助言・指導が入る可能性もあります。
- 特定空家に指定されるとどうなりますか?
- 特定空家に指定されると、住宅用地特例が解除される可能性があります。その結果、固定資産税が最大で約6倍になるケースがあります。さらに改善命令に従わない場合は、行政代執行(強制解体)となり、解体費用を請求されることもあります。
- 空き家は売却と解体、どちらが良いのでしょうか?
- 建物の状態や立地によって異なります。築年数が比較的新しく活用可能な場合は売却の方が負担は軽く済むことが多いです。一方で倒壊リスクが高い場合は、解体して更地として売却した方がスムーズな場合もあります。まずは査定を受けて、現状の価値と解体費用を比較することが重要です。
まとめ
空き家を放置すると、税金増額・倒壊リスク・資産価値の下落といった問題が現実的に発生します。「まだ大丈夫」と思っている間にも建物は確実に劣化していきます。
特に3年以上放置している場合は、早めの対応を検討した方が結果的に損失を抑えられるケースが多いです。まずは現状の価値を把握し、売却・管理・解体の選択肢を比較することから始めましょう。
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