株式会社シンプルTOP お役立ち情報 空き家を売却する方法の流れと注意点

空き家を売却する方法の流れと注意点

更新

相続や転居で空き家を持つことになったとき、「どこから手をつければいいか」と迷うのは当然です。売却の手続きは複雑に見えますが、全体像を把握すれば着実に進められます。

空き家の売却方法は「仲介」「買取」「解体後の土地売却」の3パターンが基本です。売却前には2024年に義務化された相続登記の完了が必須。税務面では被相続人の居住用財産の3,000万円特別控除(空き家特例)を使えば譲渡所得税を大幅に圧縮でき、適用期限は2027年12月31日までです。また、2023年施行の改正空家等対策特別措置法により「管理不全空き家」に指定されると固定資産税の優遇措置が失われるリスクがあり、早期売却が経済的にも有利です。

買取実績180件突破!無料現地調査・無料査定へすすむ

空き家を売却する前に確認すること

売却活動を始める前に、4つの事項を必ず確認してください。どれか一つでも抜けると、売買契約後にトラブルが発生したり、手続きが止まったりします。

①相続登記が完了しているか

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料が科される場合があります。登記が未完了だと売却できないため、最優先で確認してください。司法書士に依頼する場合の費用は5万〜15万円程度が相場です。

②共有名義になっていないか

相続で複数の兄弟が共有者になっているケースでは、全員の同意なしに売却できません。共有者が多いほど合意形成に時間がかかるため、早い段階で話し合いを始めてください。

③建物の状態・法的な問題を把握しているか

建物が旧耐震基準(1981年以前の建築確認)の場合、買い手がローンを組みにくくなります。また、増築部分の未登記、境界線の未確定なども後々問題になります。インスペクション(建物状況調査)を事前に実施しておくと、売却価格の根拠が明確になり、買い手との交渉がスムーズです。

④管理不全空き家に指定されていないか

2023年12月施行の改正空家等対策特別措置法により、「管理不全空き家」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例(最大1/6に減額)が剥奪されます。年間の固定資産税が最大6倍になるため、指定前に売却に動くことが経済的なリスク回避になります。

参考

空き家対策の総合情報(国土交通省)

買取実績180件突破!無料現地調査・無料査定へすすむ

空き家売却の主な方法(仲介・買取・解体後売却)

売却方法は大きく3種類。それぞれ価格・スピード・向いているケースが異なります。

方法 売却価格 売却期間 向いているケース
仲介売却 市場価格に近い 3〜6ヶ月程度 価格を優先したい場合
不動産会社への買取 市場価格の60〜80% 1〜2週間程度 早期売却・現状渡しを希望する場合
解体後に土地売却 土地の市場価格 解体含め3〜9ヶ月 建物が著しく老朽化している場合

仲介売却

不動産会社に仲介を依頼し、一般の買い手を探す方法です。市場価格に近い値段で売れる反面、買い手が見つかるまで時間がかかります。仲介手数料は売却価格の3%+6万円(税別)が上限です(売買価格400万円超の場合)。

不動産会社への買取

不動産会社が直接買い取るため、最短数週間で現金化できます。売却価格は市場価格の60〜80%程度になりますが、内覧対応・クリーニング・修繕が不要で、契約不適合責任も免責になるケースが多いです。手間をかけたくない方や、遠方に住んでいる方に向いています。

解体して土地として売却

建物が築50年超・雨漏りありなど著しく老朽化している場合、建物を解体して更地にしてから売る選択肢があります。解体費用は木造で1坪3万〜5万円が目安。ただし、解体後は固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が上がる点に注意が必要です。売却前に解体する場合は「空き家特例(3,000万円控除)」の適用要件も確認してください。

空き家売却の流れ・ステップ

仲介売却を選んだ場合の基本的な流れを示します。買取の場合はステップ3〜5が短縮されます。

  1. 相続登記・権利関係の整理
    登記名義を現所有者に変更します。司法書士への依頼が確実です。共有名義の場合は全員の同意を取り付けてください。
  2. 不動産会社への査定依頼
    複数社(2〜3社)に査定を依頼し、価格と担当者の対応を比較します。一括査定サービスを活用すると手間を省けます。
  3. 媒介契約の締結
    仲介を依頼する不動産会社と媒介契約を結びます。専任媒介・専属専任媒介・一般媒介の3種類があり、売却の状況や希望に応じて選びます。
  4. 売却活動・内覧対応
    不動産会社がレインズ(不動産流通標準情報システム)に物件情報を登録し、広告活動を開始します。内覧希望者が来たら立ち会いか鍵の預託で対応します。
  5. 売買契約の締結
    買い手と価格・引渡し条件が合意できたら売買契約を締結します。この時点で手付金(売買代金の5〜10%)を受け取ります。
  6. 決済・引渡し
    残代金の受領と同時に物件を引き渡します。鍵・書類一式の引き渡し、所有権移転登記の申請も同日に行います。
  7. 確定申告
    売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告を行います。譲渡所得が発生した場合は申告が必要で、空き家特例を適用する際も申告が条件です。

売却に必要な書類一覧

書類の準備不足で売却が遅れるケースは少なくありません。早めに集めておくと安心です。

  • 登記済権利証(または登記識別情報)
    所有権を証明する書類。紛失した場合は公証人による本人確認や司法書士の本人確認情報が代替手段になります。
  • 固定資産税納税通知書・評価証明書
    売却価格の参考資料として使われます。市区町村窓口で取得可能です。
  • 建物の図面・間取り図
    新築時の図面があれば買い手への説明に使えます。紛失している場合は不動産会社が現地で実測します。
  • 境界確認書・測量図
    隣地との境界を明確にした書類。ない場合は土地家屋調査士に依頼し確定測量を行います(費用35万〜80万円程度)。
  • 建築確認済証・検査済証
    建物が建築基準法に適合していることを示します。紛失した場合は市区町村の建築指導課で台帳記載事項証明書を取得できます。
  • 相続関係書類
    相続で取得した場合、被相続人の戸籍謄本・遺産分割協議書・相続関係説明図などが必要です。
  • インスペクション報告書(任意)
    既存住宅状況調査の結果報告書。売主の説明義務を果たす証拠となり、信頼性を高めます。

空き家売却にかかる費用・税金

費用と税金を把握しないまま売却すると、手取りが想定より大幅に減ることがあります。

売却にかかる主な費用

費用の種類 目安金額
仲介手数料 売却価格の3%+6万円+消費税(上限)
登記費用(抵当権抹消など) 2万〜5万円程度(司法書士報酬含む)
確定測量費用 35万〜80万円程度
建物解体費用(解体する場合) 木造:坪3万〜5万円
ハウスクリーニング・残置物撤去 5万〜30万円程度
インスペクション費用 5万〜10万円程度

譲渡所得税の仕組み

空き家を売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。計算式は以下のとおりです。

譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用 - 特別控除額

取得費:購入価格(不明な場合は売却価格の5%を概算取得費として使用可能)
譲渡費用:仲介手数料・測量費など売却に直接かかった費用
税率:所有期間5年超(長期)は20.315%、5年以下(短期)は39.63%

取得費が不明な場合は概算取得費(売却価格の5%)を使えますが、実際の購入価格より低くなることが多く、税負担が増します。購入時の売買契約書や領収書は必ず保管してください。

空き家の3,000万円特別控除(特例)とは

被相続人(亡くなった方)が一人で住んでいた家を相続して売った場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。適用期限は2027年12月31日まで延長されています。

参考

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁)

主な適用要件

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること
  • 相続開始直前まで被相続人が一人で居住していたこと(老人ホーム入居の場合は一定要件で対応可)
  • 相続開始日から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
  • 売却価格が1億円以下であること
  • 売却時に建物が耐震基準を満たすか、取り壊して更地にしていること(2024年1月1日以降の譲渡は、引き渡し後に買主が耐震改修・取り壊しをした場合も適用可能)
  • 相続後に事業・貸付・居住の用に使っていないこと

特例の活用イメージ

例:売却価格4,000万円、取得費200万円(概算5%)、仲介手数料138万円の場合
特例なし:譲渡所得3,662万円 × 20.315% = 約744万円の税金
特例あり:(3,662万円 − 3,000万円)× 20.315% = 約134万円の税金
→ 約610万円の節税効果

適用には確定申告が必要です。特例の申請を忘れると自動的には適用されないため、必ず翌年の確定申告で手続きしてください。

参考

マイホームを売ったときの特例(国税庁)

空き家売却を成功させるコツ

査定価格の高い会社に頼めばよい、ということにはなりません。売却を成功させるには、価格・タイミング・物件の見せ方の3点を意識してください。

複数社で査定を比較する

1社だけに査定を依頼すると、適正価格がわかりません。最低2〜3社の査定を取り、価格の根拠(周辺の成約事例など)を説明してくれる会社を選んでください。査定価格が高すぎる会社は、後から値下げ交渉を迫ることがあります。

売り出し価格は高すぎず、低すぎず

売り出し価格が高すぎると市場に長く残り、「売れ残り物件」の印象が広がります。成約価格は売り出し価格の90〜95%になることが多く、最初の設定が重要です。周辺の成約事例と比較しながら、現実的な価格で出すことが結果的に早期売却につながります。

空き家特有の問題を事前に解消する

長期間空き家になっていた家は、雑草・害虫・臭いが問題になります。内覧前に最低限のクリーニングをしておくだけで、買い手の印象は大きく変わります。費用は5万〜15万円程度で、売却価格への影響を考えると十分に費用対効果が出ます。

告知義務は正直に

雨漏り・シロアリ・近隣トラブルなど、知っている不具合は「物件状況等報告書」に記載する義務があります。隠蔽すると契約不適合責任を問われ、売却後に損害賠償を請求されるリスクがあります。

空き家を売れない・買い手がつかない場合の対処法

3ヶ月以上売れない場合は、価格・方法・物件の状態のどれかに問題がある可能性があります。

価格を見直す

問い合わせが全くない場合は、価格が市場からかけ離れている可能性が高いです。不動産会社と相談し、周辺の成約価格を確認したうえで価格を調整してください。100万〜200万円の値下げで動きが出ることもあります。

仲介から買取への切り替えを検討する

価格を下げても動きがない場合、不動産会社への直接買取に切り替える選択肢があります。時間的コスト(管理費・固定資産税・維持管理の手間)を考えると、多少安くても早期に売却する方が合理的なケースがあります。

相続土地国庫帰属制度を活用する

どうしても売れない・引き取り手がいない場合、2023年4月から施行された「相続土地国庫帰属制度」を使って国に土地を引き渡す選択肢があります。ただし、建物がある場合は原則対象外で、負担金(面積に応じた金額、農地等は別途)の支払いが必要です。

参考

空き家対策に関する情報(総務省)

空き家バンクや自治体支援制度の活用

通常の不動産市場では買い手がつきにくい地方の空き家でも、空き家バンクを活用することで売却・譲渡できるケースがあります。

空き家バンクとは

空き家バンクとは、自治体が運営する空き家の売買・賃貸マッチングサービスです。移住希望者や地域での起業を考えている人を対象にしており、通常の不動産市場とは異なる層にアプローチできます。国土交通省は「全国版空き家・空き地バンク」として情報を集約しており、SUUMO・アットホームとも連携しています。

参考

空き家バンクに関する情報(国土交通省)

自治体の補助金・助成金

多くの自治体が空き家の解体費用助成・改修費補助・活用支援補助を設けています。例えば、解体費用の1/2・上限50万円を補助する制度を持つ自治体があります。補助内容は自治体ごとに異なるため、物件所在地の市区町村窓口またはウェブサイトで確認してください。

自治体への無償譲渡・寄付

価値が低い物件では、自治体への無償譲渡を検討することもあります。ただし、多くの自治体は管理コストの観点から受け取りに消極的です。まず自治体に問い合わせて可能性を確認してください。

まとめ:空き家売却で後悔しないためのチェックリスト

売却前・売却中・売却後のそれぞれで確認すべき事項をまとめました。一つずつ確認しながら進めると、取りこぼしを防げます。

  • 相続登記の完了
    2024年4月から義務化。3年以内に登記しないと過料のリスクあり。
  • 共有名義の場合は全員の同意確認
    一人でも反対すると売却できません。
  • 管理不全空き家の指定状況を確認
    指定されると固定資産税の特例が外れ、税額が上がります。
  • 複数社への査定依頼
    最低2〜3社を比較し、価格の根拠を説明できる会社を選ぶ。
  • 必要書類の早期収集
    権利証・評価証明・境界確認書・相続書類などを事前に準備する。
  • 空き家特例(3,000万円控除)の要件確認
    1981年5月31日以前の建築・被相続人が単独居住・相続後3年以内の売却など。
  • 耐震基準の確認
    旧耐震の場合は改修か解体を検討。特例適用にも関係します。
  • 不具合の告知漏れチェック
    雨漏り・シロアリ・近隣問題は物件状況等報告書に正直に記載する。
  • 確定申告の忘れ防止
    譲渡所得が発生した場合・特例を使う場合はどちらも申告が必須。
  • 空き家バンク・補助金制度の確認
    通常の市場で売れない場合の代替手段として検討する。
空き家の売却に相続登記は必ず必要ですか?
はい、必須です。2024年4月1日から相続登記が義務化されており、登記名義を現所有者に変更しないと売却手続きができません。司法書士に依頼すると確実で、費用は5万〜15万円程度が目安です。
空き家特例(3,000万円控除)は誰でも使えますか?
誰でも使えるわけではありません。1981年5月31日以前に建築された家屋で、被相続人が相続開始直前まで一人で居住していたこと、相続後3年を経過する年の12月31日までに売却すること、売却価格が1億円以下であることなど、複数の要件を同時に満たす必要があります。
空き家を放置するとどんなリスクがありますか?
主に2つのリスクがあります。一つは「管理不全空き家」に指定されて固定資産税の住宅用地特例が剥奪され、税額が最大6倍になること。もう一つは老朽化による倒壊・火災・害虫発生などで、近隣への損害賠償責任を問われる可能性があることです。
買い手がどうしても見つからない場合はどうすればよいですか?
価格を下げて仲介を続けるか、不動産会社への直接買取に切り替える方法があります。それでも難しい場合は、空き家バンクへの登録や、2023年4月施行の相続土地国庫帰属制度(建物がない場合)の活用を検討してください。

関連記事

【伊勢崎市】地域密着の売却・買取におすすめの不動産屋ランキング9選

【伊勢崎市】地域密着の売却・買取におすすめの不動産屋ランキング9選

【群馬県館林市】地元密着の不動産売却・買取実績豊富な不動産屋おすすめランキング

【群馬県館林市】地元密着の不動産売却・買取実績豊富な不動産屋おすすめランキング

不動産売却の流れ図解!必要書類、買取相場や不動産会社の選び方まとめ

不動産売却の流れ図解!必要書類、買取相場や不動産会社の選び方まとめ

不動産売却とは?仲介・買取の違いから流れ・費用まで徹底解説

不動産売却とは?仲介・買取の違いから流れ・費用まで徹底解説

空き家に固定資産税はかかる?特定空き家・住宅用地特例と税金の仕組み

空き家に固定資産税はかかる?特定空き家・住宅用地特例と税金の仕組み

【群馬県北群馬郡】不動産売却におすすめな不動産屋ランキング5選【買取実績豊富・地元密着】

【群馬県北群馬郡】不動産売却におすすめな不動産屋ランキング5選【買取実績豊富・地元密着】

Fudousan Plugin Ver.5.4.0