
不動産買取と不動産仲介の違いを6つの観点から比較【メリット・デメリットや選び方まとめ】
作成日:2025年8月2日
最終更新日:
不動産を売却する際、「買取」と「仲介」のどちらを選べば良いか迷っていませんか?不動産買取はスピード重視で、不動産会社が直接買い取ってくれる方法。一方で仲介は、市場に物件を出して買主を探す方法で、相場通りまたはそれ以上の価格で売れる可能性があります。
この記事では、両者の違いを仕組み・売却期間・価格・リスク・手数料・売却後の責任といった6つの観点からわかりやすく比較し、それぞれのメリット・デメリットやどんな人に向いているかまで詳しく解説します。不動産売却で失敗しないための判断材料として、ぜひ参考にしてください。

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目次
「不動産買取」と「不動産仲介」の違い
不動産を売却する際には、主に「不動産買取」と「不動産仲介」という2つの方法があります。どちらも目的は同じですが、仕組みや売却にかかる期間、価格、手数料などが大きく異なります。ここでは、それぞれの違いをわかりやすく6つのポイントに分けて解説します。
違い① 売却の仕組み
不動産買取は、不動産会社が売主から直接物件を買い取る仕組みです。買主が不動産会社であるため、やりとりがスムーズで、売主と直接契約が成立します。
一方、不動産仲介は、不動産会社が売主と買主の間に立ち、買い手を探す方法です。市場に物件を公開し、個人の購入希望者とのマッチングが成立することで売買契約となります。
違い② 売却までの期間
買取はスピードが早く、価格が合意されれば最短数日~1週間程度で売却が完了します。急ぎで現金化したい場合に適しています。
仲介では、買主探しから内見・交渉・契約までに時間を要するため、平均で1~3ヶ月程度かかることもあります。
違い③ 売却価格
仲介では市場価格に近い金額で売却できる可能性があり、タイミングや条件によっては相場より高く売れるケースもあります。
対して、買取は不動産会社が転売やリフォームを見越して価格を提示するため、相場の7~9割程度になることが多いです。
違い④ 契約のリスク・トラブル
仲介では、買主の住宅ローン審査が通らない、契約直前でキャンセルされるなどのリスクがあります。交渉も多く、精神的な負担になることも。
買取では、買主が不動産会社なのでローン審査の必要がなく、契約が成立しやすいという安心感があります。
違い⑤ 手数料・諸費用
仲介では、不動産会社に対して仲介手数料(売却価格の3%+6万円+税)が必要です。また、広告費など別途費用がかかる場合もあります。
買取では、不動産会社との直接取引となるため仲介手数料がかかりません。そのぶん手取り額がはっきりしており、費用面でもメリットがあります。
違い⑥ 売却後の責任(契約不適合責任)
仲介による個人間売買では、売主に契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)が発生する場合があります。売却後に不具合が見つかると、修繕や損害賠償が必要になることも。
買取では、不動産会社が現状を把握したうえで買い取るため、売主の責任が免除されるケースが多く、安心して売却できます。
「不動産買取」と「不動産仲介」の流れ
不動産を売却する方法には「買取」と「仲介」があり、それぞれ流れやかかる時間に大きな違いがあります。買取は不動産会社が直接購入するため、手続きがシンプルでスピード感が特徴。一方、仲介は買主を探して契約するため、工程が多く時間もかかる傾向にあります。
不動産買取の場合は、売却相談から査定、見積もり提示、契約、引き渡しまでが一連の流れです。直接買取のため、最短7日で売却が完了するケースもあり、スピード重視の方に適しています。
一方の不動産仲介の場合は、査定や価格設定に加えて、広告・案内・交渉・ローン審査といった複数の工程を経るため、売却までに4〜7ヶ月ほどかかることもあります。時間はかかりますが、市場価格での売却が期待できる点がメリットです。
また、仲介を依頼する際には、不動産会社と「専任媒介契約」や「一般媒介契約」などの媒介契約を結ぶ必要があります。専任媒介契約は1社のみに仲介を依頼する代わりに、売却活動の定期的な報告が義務づけられており、より積極的な販売活動を期待できるのが特徴です。
なお、専任媒介契約の契約期間は法律で「3ヶ月以内」と定められており、その期間中は他社に重ねて依頼できません。そのため、信頼できる優秀な担当者を選ぶことが極めて重要です。契約前に対応の丁寧さや実績、販売戦略などをしっかり確認しましょう。
3 依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することを禁ずる媒介契約(以下「専任媒介契約」という。)の有効期間は、三月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は、三月とする。
一方で、一般媒介契約では複数の不動産会社に同時に依頼することができますが、専任契約と比べると販売の優先度が下がる可能性もあるため、契約形態の選択も売却成功のカギとなります。
「不動産買取」のメリット・デメリット
不動産買取のメリット
1. 売却までが早い
不動産買取は、査定から売買契約までの期間が短く、最短数日〜1週間で現金化できるのが大きな魅力です。転勤や相続など、急な事情にも柔軟に対応できます。
2. 仲介手数料が不要
不動産会社が直接買主になるため、仲介手数料が一切かかりません。その分、諸費用が少なく手取り金額が明確です。
3. 売却後のトラブルを回避できる
契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)が免除されるケースが多く、売却後の修繕トラブルやクレームに対応する必要がありません。精神的な負担も少なくなります。
不動産買取のデメリット
1. 売却価格が相場より安くなる
不動産会社は再販やリフォームを見越して価格を決めるため、市場相場の7〜9割程度になるのが一般的です。
2. 対応できる物件に制限があることも
立地や建物の状態によっては、買取不可と判断されるケースもあります。特に再販が難しい物件は対象外となる可能性があります。
3. 選択肢が限られる
買取価格は一社ごとに異なるため、複数社に査定を依頼する手間がかかる場合があります。また、売主側の希望条件を細かく交渉するのは難しいケースもあります。
「不動産仲介」のメリット・デメリット
不動産仲介のメリット
1. 市場価格で売却できる可能性が高い
仲介では市場に物件を公開するため、相場に近い価格、またはそれ以上で売れる可能性があります。物件の立地や状態によっては、より高値での売却も期待できます。
2. 幅広い買主とマッチングできる
インターネットや広告を通じて広く募集されるため、複数の買主候補から選べるチャンスがあります。条件面で有利な交渉も可能です。
3. 売却条件を柔軟に設定できる
売却のタイミングや引き渡し時期、価格などについて、売主の希望を反映しやすい点も仲介の強みです。ライフプランに合わせた売却がしやすくなります。
不動産仲介のデメリット
1. 売却までに時間がかかる
買主が現れるまでに数週間〜数ヶ月かかることが多く、売却完了までの期間が読みにくい点がネックです。急ぎの売却には不向きです。
2. 仲介手数料がかかる
不動産会社への報酬として、仲介手数料(売却価格の3%+6万円+税)が発生します。その他にも、必要に応じて修繕やホームステージングなどのコストもかかる場合があります。
3. 売却後の責任が発生する場合がある
売却後に建物の欠陥や不具合が見つかると、契約不適合責任を問われ、補修費や損害賠償の対象となることもあります。トラブル防止には事前の点検や開示が重要です。
「不動産買取」と「不動産仲介」はこんな方におすすめ
「不動産買取」がおすすめな方
できるだけ早く現金化したい方
不動産買取は、最短数日で売却が完了するため、急な転勤・相続・離婚など、時間的制約がある方に最適です。資金化を急ぎたい場合もスムーズに対応できます。
築年数が古い物件や売れにくい物件をお持ちの方
築古や立地条件が悪く、一般の買主が見つかりにくい物件でも、不動産会社であれば買取可能なケースがあります。空き家や事故物件などにも対応している業者もあります。
売却後のトラブルや責任を避けたい方
契約不適合責任が免除される場合が多いため、売却後の不具合によるクレームや損害賠償を避けたい方にも安心です。精神的な負担を軽減したい方におすすめです。
「不動産仲介」がおすすめな方
できるだけ高く売却したい方
仲介は市場に広く公開されるため、相場通り〜それ以上の価格で売れる可能性があります。価格重視の方には適した方法です。
売却を急いでいない方
売却までにある程度の期間をかけられる方であれば、仲介を通じてより条件の良い買主を探すことができます。じっくり売却活動を進めたい方に向いています。
人気エリアや状態の良い物件をお持ちの方
駅近や再開発エリアなど、需要が高いエリアの物件や、築浅・リフォーム済み物件などは仲介での売却に有利です。競争率が高いため、高値売却が期待できます。
不動産会社選びで注意すべき点
「不動産買取」や「不動産仲介」のいずれを選ぶ場合でも、信頼できる不動産会社選びは非常に重要です。ここでは、業者選びで注意すべきポイントを紹介します。
1. 実績・地元での評判を確認する
地域に密着した活動をしている不動産会社は、その地域の市場に精通しているため、適正な査定や迅速な対応が期待できます。実績件数や口コミ・評判も確認しましょう。
2. 地域の買取実績が豊富か
不動産会社を選ぶ際は、対象エリアでの買取実績がどれだけあるかを確認することが大切です。過去に同じ地域・物件種別での買取実績が多い会社は、地域特有の相場や売却ニーズに詳しく、スムーズな対応が期待できます。
また、公式サイトやチラシなどに掲載されている「買取実績例」や「お客様の声」も参考になります。数字だけでなく、地元での信頼を築いてきたかどうかにも注目しましょう。
3. 担当者の対応をチェックする
説明が丁寧か、質問に的確に答えてくれるかなど、担当者の対応力や信頼感も重要です。売却は高額な取引となるため、安心して任せられる担当者を選びましょう。
「不動産買取」と「不動産仲介」の違いでよくある質問
不動産買取と仲介、どちらが高く売れる?
一般的には「仲介」の方が高く売れる可能性が高いです。市場で購入希望者を募るため、需要があれば相場以上での売却も期待できます。一方、「買取」は業者が再販を前提に価格を決定するため、相場の7〜9割程度になるのが通常です。
買取業者はどんな物件でも買ってくれるの?
すべての物件が買取対象になるわけではありません。築年数が極端に古い、再販が困難な立地、建物の構造上の問題などがある場合、買取を断られることもあります。複数の業者に相談することが大切です。
急いで現金化したいときはどっち?
不動産買取が圧倒的にスピーディーです。査定から契約・決済まで最短数日で完了するため、転勤・相続・離婚など、早急な対応が必要な場合は買取が適しています。
仲介で売れなかったら、買取に切り替えできる?
多くの不動産会社で切り替えは可能です。実際、一定期間売れなかった物件を買取に変更するケースも多く見られます。最初から買取と仲介の両方に対応した会社を選んでおくと安心です。
「不動産買取」と「不動産仲介」の違いまとめ
不動産買取と不動産仲介は、どちらも不動産を売却する方法ですが、それぞれに明確な違いがあります。
買取はスピード重視・手間が少なく、価格はやや低め。一方、仲介は高値が狙えるが、時間と手数料がかかるという特徴があります。
以下のような基準で選ぶと良いでしょう:
- すぐに現金化したい、築古物件を売りたい → 不動産買取
- できるだけ高く売りたい、時間に余裕がある → 不動産仲介
どちらを選ぶにしても、信頼できる不動産会社に相談することが大切です。両方の選択肢を提示できる会社を選べば、状況に応じて柔軟な判断が可能になります。
この記事を参考に、あなたにとって最適な不動産売却の方法を見つけていただければ幸いです。